不動産×行政書書士Blog

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不動産の調査(役所編)について

おはようございます☀😃
不動産系サラリーマンをしながら行政書士登録も受けた仕事人間の近藤です!

本日は、不動産の仲介等をする場合、宅建士などが行う物件の調査について書いて行こうと思います。

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調査といっても、現地を確認したり、関係機関でヒアリングしたりと色々な方法がありますが、今日は、市区町村の役所や役場などで行う調査について書いて参ります。

物件の所在地によって、調査の為に訪問する役所は異なりますが、僕の住んでいる徳島市の場合は、下記の調査について、徳島市役所の各課に訪問して、確認して行く事となります。

市区町村などの役所では、不動産の新築や、増改築などを行う場合の制限、土地に接している道路の種類や、利用している水道や下水などの設備状況などを確認することができます。
これらを調べて、売買契約前の『重要事項説明書』の作成をして行く事となります。

また、水道や下水などの供給元や利用状況を事前に調べておくことで、売買後の名義変更手続きが円滑になります。

下記は、僕が役所で不動産の調査を行う場合、調べて行く順番に記載させて頂いています。

◯道路調査
道路維持課で、土地に接した道路が、公道か私道かなどを調べます。
また、市道などの公道の場合は、道路の名称(◯◯1号線など)と道路の幅員(道幅)などを確認します。
公道ではない場合は、別の課にて建築基準法に定められた道路かどうかを確認します。
また、公道の場合も道路の幅員(道幅)が4m未満の場合は、別の課にてセットバック(中心後退など)が必要かどうかを確認します。

◯建築基準法調査
上記、道路の調査を基に、例えば、新築をする為の土地の場合は、建築が可能かどうか、また、中古住宅の場合は、その家の建築確認申請がされているか、また、建築後の検査がされているかなどについて、調べます。
※こちらの調査は、かなり重要で、例えば、『土地を買ったはいいけど、建物を建てられない土地だった』など、購入される方にとって、購入目的が達せられなければ、意味がなくなりますので、慎重な調査が必要です。

◯都市計画などの調査
物件が都市計画が定められたエリア内にある場合、その場所には、どの様な規制があるかなどについて調査します。

具体的には、以下の項目などをチェックします。

用途地域
建ぺい率
容積率
防火・準防火などの規制
景観法
その他
(専門用語が多いので、下記ご参照下さいませ)
https://www.athome.co.jp/amp/contents/words/
※アットホーム、不動産用語集参照

◯埋蔵文化財包蔵地の調査
対象の不動産が新築する為の土地である場合、埋蔵文化財包蔵地(遺跡)に該当するかどうかの確認が必要です。工事等を行う場所が埋蔵文化財包蔵地の範囲に含まれる場合には、工事着手の60日前までに届出が必要になります。また、工事等の内容によっては、工事着手前の発掘調査や工事中の立会調査が必要となる場合がありますので、不動産を購入される方が、購入後に家をなかなか建てる事が出来ないなどのトラブルを避ける上でも、重要な調査となります。

◯上水道の調査
不動産の重要事項説明では、『直ちに利用可能な施設、配管等の状況、整備予定・負担金』を説明する義務があります。
不動産に引き込まれている水道が、公営水道か私営水道かなどの調査も必要です。
また、配管等の状況の項目は重要です。水道管については、対象不動産の敷地内配管、前面道路配管を調査し、配管の口径を調査します。(敷地内配管とは、前面道路配管から敷地内メーター類まで引き込まれている配管のことです。)

◯下水道の調査
まず、対象不動産が、公共下水道が整備されているエリアかどうかの確認を行います。
公共下水道のエリア内の場合は、市役所の下水道課で、下水道台帳の写しを貰います。その台帳の記載事項に基づいて、前面道路内の配管は公設管であるかどうか、そうである場合には管の口径はいくらか、桝の位置や取付管の口径、分流式かどうか、分流式の場合は、雨水の排水先はどこか等を聞きます。
また、そもそも公共下水道が整備されていないエリアの場合は、汚水・雑排水を浄化槽で処理する方法があります。

◯ハザードマップ
役所の防災対策課などで、土砂災害警戒区域や津波災害警戒区域や浸水エリアなどについて、対象不動産がエリア内にあるかどうかを確認します。

その他、農地法、など、状況やエリアに応じた物件調査を行います。

役所の調査も1つの市役所内などにまとまっていれば、移動が楽ですが、場合によっては、色々な役所に確認に行かなければならない案件もありますので、割と大変です。

また、役所での調査によって、対象不動産を購入される方の目的が達せられない事項(家を建てられない土地など)が判明する場合もありますので、僕自身の業務としては、本当に重要な仕事だと思っています。

それでは、本日はこのくらいにさせて頂きます。

次回も引き続き、当ブログを読んで頂けます様宜しくお願いします🤲